NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公である渋沢栄一は、
多くの会社の設立に関わってきました。
その数500社というからすごいですね。
代表的な会社としては、第一国立銀行(現在 みずほ銀行)、日本鉄道(現在 JR)、
帝国ホテル、王子製紙、東京海上火災保険、東急電鉄、東急不動産、東京ガス、
キリンビール、東京証券取引所などがあります。
これだけの実績を残した企業人ですから、数々の名言を残しています。
今回は、そのうちのいくつかをご紹介します。
★商売をする上で重要なのは、競争しながらでも道徳を守るということだ。
★真の富とは道徳に基づくものでなければ決して永くは続かない。
渋沢栄一は、二宮尊徳の影響を強く受けたと言われています。
これらの名言は、尊徳の報徳思想が大きく関わったものと言えるでしょう。
★信用はそれが大きければ大きいほど、大いなる資本を活用することができる。
世に立ち、大いに活動せんとする人は、
資本を造るよりも、まず信用の厚い人たるべく心掛けなくてはならない。
★事業には信用が第一である。
世間の信用を得るには、世間を信用することだ。
個人も同じである。
自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話だ。
★信用はのれんや見た目から得られるものではなく、確固たる信念から生まれる。
事業を成功させるためには信用が第一であることは言うまでもないことです。
二宮尊徳や渋沢栄一から影響を受けた松下幸之助も、信用の重要さを説いています。
★交際の奥の手は至誠である。
理にかない調和がとれていればひとりでにうまくいく。
★心を穏やかにさせるには思いやりを持つことが大事である。
一切の私心をはさまずに物事にあたり、人に接するならば、
心は穏やかで余裕を持つことができるのだ。
商売上手であった渋沢栄一らしい名言ですね。
★数字算出の確固たる見通しと、裏づけのない事業は必ず失敗する。
★金儲けを品の悪いことのように考えるのは、根本的に間違っている。
しかし儲けることに熱中しすぎると、品が悪くなるのもたしかである。
金儲けにも品位を忘れぬようにしたい。
お金に対する渋沢栄一の考えが解ります。
★一個人がいかに富んでいても、社会全体が貧乏であったら、
その人の幸福は保証されない。
その事業が個人を利するだけでなく、多数社会を利してゆくのでなければ、
決して正しい商売とはいえない。
渋沢栄一は会社を起すとき、私益よりも公益を優先したと言われています。
★真似をするときには、その形ではなく、その心を真似するのがよい。
★一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが、
処世上の第一要件である。
★長所を発揮するように努力すれば、短所は自然に消滅する。
設立した会社の、渋沢栄一の持ち株比率は高くありませんでした。
世の中に役に立つ会社を起こすことが目的で、
その会社を支配することが目的ではなかったのです。
ここが他の財閥と大きく違うところでした。